☆05年型トライアンフ・スプリントST→06年型

 トライアンフジャパンより、同社のスポーツツアラーモデルであるスプリントSTの2006年モデルが発表になった。と言っても、発表されたのは諸元程度である。
 本年2005年の春にデビューしたばかりの同モデルだが、早くも仕様変更が施された様子だ。STの日本導入モデルでは全車ABS標準装備(海外はABSなしとの併売)となる。そしてなんと、2006年モデルではあるが、本年9月13日に発売だという。諸元表を見る限りは車体寸法とエンジン性能にやや違いがあり、さらにここには表れない改良もありそうな予感がするのではあるけれど、今年早々に買ったユーザーは……。
 その諸元を、05年型と比較する形で掲載する。つまり本来なら【他人の褌】の項に相応しい記事なのかもしれないが、従来型の簡単なインプレを併記することで、新型への期待やら想像をして楽しんでいただけたら、ということでこちらの項に掲載した。


●従来型の試乗記

 今年の春にデビューしたこのバイク、従来の955i系横置き直3のストロークを6.4mmアップした79×71.4mm=1050ccのエンジンは、なかなか美味である。デイトナ955i(149ps/10700rpm)ほどパワフルではない。こちらは125ps/9250rpmである。しかしながら、まったりと回るトライアンフ3気筒ならではの良さが、とてもうまく仕上がっている。955iの軽々と吹けるフィールも3気筒の良さではあるが、根底にあるのは乗り手にストレスをまったく与えない回転感覚の美味しさであり、そちらのほうの良さが徹底して強調されている感じだ。低中速トルクが結構あるし、その上で本番は6500rpmから先なのだが、9000rpmあたりを使い続けていてもSS系のように必死で回している感じなど皆無。まったり、のままなのである。パフォーマンスとしても、何気なく加速してササッと制限速度×2くらいはすぐに到達するので何の不足もない。そして、例の英国伝統職人気質製造といった感触のアナログタッチに満ちた柔らかい音と鼓動感。走り続けることが楽しくはあっても苦痛は呼び起こさない。東京都心から福島の小名浜へ昼飯を食いに行く行程はアッという間にすぎてしまった。
 シャシーも、なかなか良いと思った。走り出した途端の路地を曲がるときから、極めて自然な手応えと挙動に、やはり新生トライアンフの初代スプリント900から受け継いだものというのか、、このシリーズは出来が良いな、と感心した。乗り心地はよいし、空力的にも不足はなく、高速直進性にしろ峠道での旋回性にしろ落ち着いた操縦特性でアナログ的である。ただ、峠道をちょっと元気に走ると、さほどクイックな旋回性など望まないもののもうちょっと曲がってほしいとは思ったし、フロントまわりの落ち着き感も今ひとつ。このあたりは、やっぱりホンダVFRが一枚上手か? スポーツツアラーとしての機能についてもっと細かく重箱の隅をつつけば、シートのクッションは柔らかいがコシが不足、タンデムシートは狭すぎるしグラブバーも持ちにくい、純正パニアケースは使い勝手が悪い、夏場は足元が熱くてたまらん……。
 などと思って帰宅した。ところが翌日の夕方、トライアンフジャパンからメールが届いた。『2006年型スプリントSTを9月13日より発売……』。さてさて、新型は僕が感じたもの足りないところを、改良してくれているのだろうか。まだスペック表だけの発表だが、エンジン仕様が明らかに違うほかは、どのくらいの変更が……。


●06年型のリリース

 以下に、トライアンフジャパンより送付された新型スプリントST_ABS仕様、及びスピードトリプルについてのリリース文面をそのまま掲載する。本格的なプレスリリースや写真は、9月末ごろ発表になる模様だ。

*********以下、トライアンフジャパンのリリース*********

■スピードトリプル/スプリントST ABS 2006年モデル先行展示/発売開始!
 2005年にモデルチェンジした新型スピードトリプル、スプリントSTは、発売後すぐに店頭から姿を消すほどの人気を博すことができました。そしてこのたび、他の2006年モデルに先んじてこの2機種を2005年9月13日より先行発売いたします。
トライアンフの個性ある1050cc水冷3気筒エンジンを搭載した両モデル。2006年モデルでは新たなカラーが加わり、さらにスプリントSTはトライアンフでは初めてのABS仕様となりました。
 車体色と価格は下記の通り。
◎スピードトリプル
メーカー希望小売価格:1,333,500円(消費税込)
車体色:ジェットブラック、ネオンブルー、スコーチッドイエロー、(新色)フュージョンホワイト

◎スプリントST ABS
メーカー希望小売価格:1,491,000円(消費税込)
車体色:アルミニウムシルバー、カスピアンブルー、(新色)サンセットレッド

 また、2006年モデルの両機種先行発売を記念して、正規販売店での先行展示を9月1日より行います。実施店舗と展示車輌については、直接販売店へお問い合わせください。

■スプリントST ABS発売
2005年8月23日
 トライアンフ社は、スプリントST ABSバージョンを2005年9月13日(火)より全国の正規販売店にて販売開始いたします。
 年初に発表されたスプリントSTは、特徴的な外観、洗練されたデザイン、評判の高いパフォーマンスといった、その驚くべきパッケージングで、スポーツツーリングクラスの定義を改めるモデルとなりました。そして今、カリスマ性を持つパワフルな3気筒エンジンと美しくバランスの取れた車体は、ABSオプションの採用によってより一層魅力を高めます。
 ABSは、とくにヨーロッパのツーリングライダーに強く望まれている装備です。ABSバージョンをまず始めに新しいSTに追加したことは、道理に適ったステップと言えるでしょう。
 この約10年間におけるブレーキ、タイヤ、サスペンションの著しい性能向上によって、ほとんどのライダーはバイクのブレーキ能力の70%前後しか使用していません。ABSは、とくに濡れた路面におけるパニックブレーキ時に、この割合を大きく向上させることができる装備です。
 トライアンフの新しい製品開発マネージャー、ロス・クリフォードは、次のように説明しています。 「多くのライダーは、ABSによってマシンのダイレクト感が失われてしまうと考えているようです。しかし、実際にはそんなことはありません。このシステムは、システムの介在を主張しないよう、また、ライディングにおけるあらゆるフィーリングをスポイルしないよう、細心の注意を払って設計されています。このABSは、ハードブレーキング時にのみ、ライダーの操作を補助します」。
「とくに、ライダーは前後のブレーキバランスを調整するシステムを嫌います。よって、トライアンフでは前後ブレーキ連動システムを採用していません。このSTの前後ブレーキは、それぞれ独立して作動します」。
 スプリントSTに使用されるABSシステムは、現在の自動車における標準的技術と同様の方法で作動します。このシステムは1秒あたり100回の計算を行っており、タイヤがロックする正確な瞬間を検知することが可能です。そのときに一瞬だけブレーキを解除し、タイヤのグリップを取り戻してから再びブレーキをかけます。このプロセスを制御するスイッチは、わずか1000分の4秒で作動します。ABSシステムは、このような圧力の調整によって、最適なブレーキ力を発生します。

*********以下05年型との諸元比較*********

■SPRINT ST 2006年モデル SPECIFICATION(カッコ内は05年型)
◎エンジン
タイプ 水冷DOHC並列3気筒(同)
排気量 1050cc(同)
ボア/ストローク 79 x 71.4mm(同)
圧縮比 12.0:1
燃料システム マルチポイント・シーケンシャル電子燃料噴射(同)
イグニッション エレクトリックエンジンマネージメントシステム(同)
◎トランスミッション
一次減速 ギヤ(同)
二次減速 Xリングチェーン(同)
クラッチ 湿式多板(同)
変速機 6速(同)
◎車体
フレーム アルミ製ペリメータタイプ(同)
スイングアーム アルミ製片持ちタイプ(同)
ホイール フロント 5スポーク、17 x 3.5インチ(同)
  リア 5スポーク、17 x 5.5インチ(同)
タイヤサイズ フロント 120/70 ZR 17(同)
  リア 180/55 ZR 17(同)
サスペンション フロント 43mm径カートリッジフォーク、プログレッシブスプリング・プリロード調整機能付(同)
  リア モノショック、プリロード及びリバウンドダンパー調整機能付(同)
ブレーキ フロント 320mmダブルフローティングディスク、4ピストンキャリパー、ABS機能付(ABS非装備)
  リア 255mmシングルディスク、2ピストンキャリパー、ABS機能付(ABS非装備)
◎寸法
全長 2114mm(同)
全幅 750mm(745mm)
全高 1145mm(1228mm)
シート高 805mm(同)
軸間距離 1457mm(同)
キャスター/トレール 24度/90mm(同)
乾燥重量 213kg(210kg)
燃料タンク容量 19.5リットル(非記載)
◎エンジン出力
(DIN 70020による出力測定値)
最大出力 125PS/9,100rpm(125PS/9250rpm)
最大トルク 105Nm/7,500rpm(104Nm/5000rpm)
車体色 カスピアンブルー、アルミニウムシルバー、サンセットレッド

<以上>