☆03年型ドゥカティ999発表


 ドゥカティのラインナップのうち、トップカテゴリーとされるSBK(スーパーバイク)の次世代モデル、999が発表になった。本国イタリアでのプレス発表&試乗会は07月16日にミサノで、日本での公式発表会は07月23日に都内のホテルで行われた。
 これまでの916に端を発し998に至るデザインとは、大きく異なる様相で登場した999である。現状でも非常に高い人気を保ち続けている、個性あるデザインなのに。この刷新には、過去に固執せず常に明日に向かって進むドゥカティの志が表現されていると思う。従来のドゥカティ・ファンの中には首を傾げる方々もおられようが、実物は写真よりもはるかにシャープな印象であることを断っておく。カウル前面のエアダクト、カウル両サイドのフラップなどにより、最新のエアロダイナミクス処理が施されたマシンは、じつに美しい。カラーリングは、イタリアンレッドのみがリリースされる。日本には、ふたり乗りが可能なビポスト(下の中央写真)の輸入予定はない。999Rに関しては、まだ詳細な仕様が決定していない模様だ。999の日本での販売については、モノポストが198万円で12月より、Sが235万円で来年2月より。双方とも予約は8月1日より全国の正規代理店にて開始される。

 名称は999と数字がひとつ増したが、今回発表されたひとり乗り専用のモノポスト、及びもっとスポーツ性が高いSタイプでは、エンジンは既存の998系モデルと同様の998ccのテスタストレッタ(ナローヘッド)である。既存の998Rのショートストローク999ccエンジンは採用されなかった。つまり、ビポストも含めた「普通の」999シリーズは従来と同じエンジンを搭載するわけだが、吸排気系の変更や電子制御系の進化などで、低中速のトルクは向上しているという。
 車体に関しては、アッパーのフレームパイプを左右とも20mmほど内側に追い込んでニーグリップ部をスリム化したとはいえ、メインフレームの基本構成は従来と同様だ。ただし、スイングアームを998より15mm長い「両持ち型」に変更しており、これはドゥカティ・コルセからのオーダーによるという。そう、所詮片持ちのスイングアームなどというものは、タイヤ交換の迅速性以外には、エキゾーストパイプの取りまわしやすさぐらいしかメリットはないのだ。片持ち式のスイングアームについて、デザイン的なメリットでは僕も後ろ髪を引かれる思いがあるのは確かだが、所詮はホンダNRのパクリの世界。潔く、過去を捨てたドゥカティに拍手を送りたい。その新型スイングアームは、砂型の一体鋳造制作である。
 スイングアーム変更に加え、乗車位置や前後サスの変更もあって操縦性は格段に軽快になっているという。同時に、安定性もはるかに高まっていると、主任デザイナーのピエーレ・テルブランチ氏(冒頭写真中央の白シャツ)は自信満々だった。

 今回、実車がお披露目となったのはモノポストであり、シートレールはアルミ製である。そして、タンク/シート/シートカウルがひとつのユニットになっていて、そのユニットは前後に20mmの幅で3段階に移動でき、ライポジの調整が可能となっているのがポイント。シート高は現行モデルより15mm低くなった。ハンドル切れ角は左右28.5度が確保されている。従来のモデルよりも、ライダーにもっとフレンドリーであること、そして絶対性能はもちろん向上させること、というのがモデルチェンジの趣旨である。高性能が美しさの基盤である、というのがドゥカティの根本思想だと、テルブランチ氏は胸を張った。

 プロジェクター型ヘッドライト2灯を縦に配置することで生まれた新しい面構えである。ライト両横のダクトと、サイドカウルのスポイラーにより、従来型よりも空気抵抗が少なく、ウインドプロテクション機能も向上した。エキゾーストパイプは、パイプ径と長さが前後気筒で異なるものを使用していて、効率のいいレイアウトにしながらも同様の排気特性を得ているあたりは、03年に実戦デビューするMotoGPマシンのデスモセディッチと共通する部分とも見える。サイレンサーは2気筒分を一体化したもので、2重構造のステンレス製であり、ユーロ2に楽々対応する消音効果とエミッション低減を実現している。もちろん、3元キャタライザーを装備する。そのほか、最新のデジタルテクノロジーによる多機能メーター装備や配線類の簡素化など、新機軸は多数ある。詳細は8月6日発売のビッグマシン誌を参照いただきたい。

■水冷ドゥカティヒストリー
1988 851デビュー
1990 851SP2=888cc
1991 888SP3
   1990〜1992 WSBチャンピオン
1993 888シリーズ化
1994 916デビュー ボア・ストローク94×66mm=916cc
   エンジンをコンパクト化 インジェクション新作 フレーム新作
1995 916SP 955コルサ(955cc 実質的に非売)
   1994〜96 WSBチャンピオン
1997 916SPS ボア・ストローク98×66mm=996cc
   (97年WSBのレギュレーションでボアアップが禁止になる)
1999 996がシリーズ化
   996SPS ???ps/????rpm
2000 996SPS 123ps/9500rpm
2001 996R 「テスタ・ストレッタ」エンジン採用
   ボア・ストローク100×63.5mm=998cc 
   バルブ挟み角 40度→25度(吸12度/排13度)バルブサイズ拡大
2002 998シリーズ化
   998R ボア・ストローク104×58.8mm=999cc 139ps/12000rpm
   1998 99 01 WSBチャンピオン
2003 999シリーズ登場(発表=2002.07.16 日本07.23)