☆02年型Buell FIREBOLT XB9R


 9月11日、ハーレーダビッドソン・ジャパンの恒例、翌年イヤーモデルの記者発表会が開催された。あらかたのモデルは、すでに専門誌などに試乗記が掲載されたものであるが、そこでひときわ異彩を放っていたのが本邦初公開となるビュエル、ファイアーボルトXB9Rである。
 ビュエルは、ハーレーではない。ハーレーのエンジンをベースに使用するものの、独自のチューニングが施され、そして車体は全くの別物。言ってみれば、スーパースポーツである。しかもその標語は「他の何にも似ていない」こと。アメリカ流の、そして完全に独自のコンセプトであることを誇りとするスーパースポーツなのだ。
 そのビュエルの最新型XB9Rは、従来のビュエル以上に独創的である。スタイル以上に、そのメカニズムは斬新さにあふれ、そして徹底してビュエルらしい。

 エンジンは、従来のスポーツスター系のものをベースとする形ではなく、このモデルのためにまったく新しく製作された。空冷45度OHV2気筒というレイアウトは踏襲するものの、すべてが新作。排気量は984ccで、ボアはXL1200系と同じ88.8mmらしいから、ストロークは79.5mmと思われ、ハーレー製エンジンとしては異例のショートストローク型である。コンロッドやピストンなど各部品は徹底して軽量化されており、OHVのビッグツインとしてはかなりの性能指向。インジェクション仕様で、最高出力は92馬力と公表された。
 そして車体。フレームは言ってみればアルミ製のツインスパーであるが、日本製レプリカなどとはまったく発想が違う。フレーム本体のメイン部は超大断面で高剛性を確保しながら、エンジンはピロボール付きロッドで動きを制御されたラバーマウント。そのエンジンに直接、リヤのスイングアームが取り付けられる。外乱吸収/直進&旋回の安定性/軽量化を兼ね備えさせる、ビュエル流の設計思想は完璧に継承されているのだ。エンジン下にクルマのようなマフラーを備えるなど、これでもかというほどのマスの集中思想も、また然りである。

 さらに。ステアリングヘッドまわりの剛性を極度に高めるボックス形状のフレーム前方は、燃料タンクを兼ねる。やはりボックス形状のアルミ製スイングアーム(中央部から左側にかけて)は、ドライサンプエンジンのオイルタンクを兼ねる。フロントブレーキは量販車初の大径リムマウント式シングルディスク+対向6ポットキャリパーで、高い制動力を発揮させながら、制動時のねじれを抑制し、かつ軽量。前後のアクスルシャフトは入念な肉抜きが施されたステンレス製で、やはり肉薄のアルミキャストホイールと共に超軽量。メーター&カウルを保持するハンガーはマグネシウム製……。軽量コンパクト化への、思い切ったアイデアが満載されている。
 コイツは走りそうだ、と言うより、面白そうだ。ラップタイム至上主義的なモデルとは違う独自のスポーツ性の素晴らしさは従来のビュエルで感じていて、XB9Rはそのベクトルで格段に進化したものであると、僕は予想する。価格などはまだ未定で日本でのデリバリーは来春とされているが、11月の半ばにはプレス関係者などの試乗が予定されている。期待は大きい。