☆ドゥカティがMotoGPマシンの公道バージョンを販売宣言


 ドゥカティティ・ジャパンより5月24日夕方、MotoGPマシン”デスモセディッチ”の公道用フルレプリカバージョンを販売する、とのリリースが流れた。諸般の事情により掲載タイミングが遅くなったが、ここにそのリリースを紹介する。
 レプリカマシンの名称はリリースから察するところ”デスモセディッチRR”だが、けっこう曖昧である。発売は2006年春で、価格はなんと5万ユーロ。1ユーロ=135円のレートで675万円である! が、公示価格は『およそ』の『予定』であり曖昧だ。販売はインターネット上で行われると思われ、限定生産とのことだが、何台の限定なのかは表記がなく曖昧。すべてイイカゲンであり、まあ伊太利亜流儀である。
 このレプリカマシンの仕上がり具合を予想するのは、なにしろまだ作る気になっただけで実物もないのだから無理だが、近年のドゥカティの展開(東京モーターショーでのスポーツクラシックの公開など)からすると、うまい商売をしてるなぁ、という印象である。それでも、1日に1台しか生産されないマスプロダクトとは縁遠いこのマシンを、手に入れてみたいと思うのがバイク乗りとしては普通だろう。
 しかしながら、最も重要なのはそのレプリカマシン発売宣言ではない。イタリアはミサノで行われたそのプレゼンテーションにおいて、MotoGPマシンのエンジンが公開されたことのほうが注目に値する。周知のとおり、そのマシンであるデスモセディッチは横置き90度V型4気筒エンジンを搭載。動弁系はDOHC4バルブで、強制開閉機構デスモドロミックを採用する。その構造が明らかになったのだ。
 公開された画像から判断すれば、その構造は意外とアタリマエ。4気筒の点火間隔がどうなっているかが少々興味をそそるくらいである。カムシャフトの駆動は歯車列方式(いわゆるカムギヤトレーン)であり、シザースギヤ(ホンダのいうセラシギヤ)もないこのままの構造で市販車とした場合に騒音規制への対応は??? 外観写真は本物だろうが、イラストの類は実際の構造のとおりかどうか??? でも、イタリアの勇者の心臓部が具体的に表示されたことはやはり我々の興奮度を高めてくれる素材であり、嬉しいことだ。
 以下に、ドゥカティ・ジャパンよりリリースされた文章を、ほぼそのまま掲載する。

*************以下ドゥカティ・ジャパンのリリース***********

ドゥカティ社、モトGPレプリカマシンの生産に踏み切る
WDW2004に集った数千人のドゥカティファンの前で発表
デスモセディチ・レーシングレプリカ、夢の実現へ
2004年5月22日 イタリア ミサノ アドリアティコ

 ドゥカティ社は、ワールド・ドゥカティ・ウィーク(世界中のドゥカティファンが集う2年に1度の巨大イベント)において、1週間にわたって繰り広げられているモーターサイクリング、イベント、スポーツ、エンターテイメントが最高潮に達した魅惑的な雰囲気の中で、誰もが待ち望んでいたデスモセディチ・レーシングレプリカ開発プロジェクトの打ち上げを発表した。世界中のファンを魅了したイタリアンMotoGPマシン“赤いボルゴパニガーレ産のバイク"がまもなく入手可能となる。
 この発表によりプロジェクトは公式に発足し、マシンは2年以内にデリバリー開始となる。初めての真のモトGPレプリカとしての限定生産となる。ドゥカティの技術進化の新領域となるこのレプリカマシンには、トロイ・ベイリスとロリス・カピロッシが駆りモトGP世界選手権を戦うモーターサイクルが持つすべての主要特色が盛り込まれる。デスモセディチRRは、ドゥカティが抱く未来像の確認であり、レースで培った経験を公道向けモーターサイクルに伝達するドゥカティ社の能力を立証するものである。
 フェデリコ・ミノーリ(ドゥカティ・モーター・ホールディング社、プレジデント兼マネージングディレクター)は、ドゥカティ社のテクノロジーの2つの核を代表するジャンルイジ・メンゴリ(ドゥカティ社テクニカルディレクター)とクラウディオ・ドメニカーリ(ドゥカティレース部門のマネージングディレクター)をステージ上に呼び寄せた。彼らはともにこの例外的なプロジェクトを支える原動力である。そして、トロイ・ベイリスとロリス・カピロッシが見守る中、ドゥカティテクノロジーの頂点となるマシンの心臓部であるデスモセディチRRエンジンが初めて公開され、観衆から抑えられないほどの情熱をもって迎え入れられた。

 フェデリコ・ミノーリはステージ上で、次のように述べた。
『この最高の機会に、歴史的な発表を行い、またひとつ夢が現実のものとなる。デスモセディチRRは、レースマシンからロードバイクまでドゥカティ社が生産するすべてのモーターサイクルが有する伝統に基づいた、最大限のドゥカティテクノロジーの産物となる。限定生産のマシンとはいえ、すべてのドゥカティファンの夢となるであろうこのような挑戦に臨むことをうれしく思う。我社のアイデンティティのハートであるパッションと独創性を象徴するエクスクルーシブなモーターサイクルとなる。もちろん、ドゥカティの優れたツインシリンダーエンジンはいつの世においても常にあらゆるドゥカティモーターサイクルのトレードマークであることに変わりはない。
 今日、我々は野望に満ちた重要なプロジェクトを打ち上げる。デスモセディチRRのデリバリーは2年後となるが、皆様とともにこの歴史的な発表を祝いたい。まさにこのステージ上で最初のデスモセディチRRをデリバリーする予定になっている2年後のWDW2006を楽しみにしている』。

 デスモセディチRRのエンジンは、エンジン最高回転速度まで精密なバルブリフトを確保するドゥカティ伝統のデスモドロミックタイミングシステムを採用、L型4気筒というモダンな構造に完璧にマッチし、精密機械の傑作となる。総排気量989cc、1気筒あたり4バルブのデスモセディチRRエンジンは、確実に世界のモーターサイクル業界において新たな基準となるだろう。現代の生産技術の最先端を行くテクノロジーが使用され、これまでレーシングバイクのみに採用されてきた方法が用いられる。カムシャフト(1シリンダーバンクあたり2つ)は、あらゆる状況において最大限に正確なタイミングを確保する信頼性の高い精巧なギアによって駆動される。
 レプリカマシンの忠実性はここで終わらない。マシンのディメンションはモトGPマシンのそれに正確に等しく、レーシングデザインを踏襲した6速ギアボックスはシングルユニットとして取り外し可能である。


 軽量化と耐久性のターゲットは、各コンポーネントのデザインの最適化と、非常に高級で特別な材料の使用につながった。砂型鋳造アルミニウム合金製のクランクケースとシリンダーヘッド、チタニウム製のコネクティングロッドとバルブ、そしてマグネシウム製のエンジンカバーである。
 エンジンはこのファンタスティックなモーターサイクルの心臓部であるが、シャシコンポーネントについても同様に高品質であり、最も先進的なソリューションが用いられる。ドゥカティ独特の鋼管トレリスフレームと最高にリファインされた種々コンポーネントは、モトGPマシンデスモセディチのデザインを担当したアラン・ジェンキンスによってアエロダイナミクス設計が施された特別なカーボンファイバー製フェアリングで覆われる。レプリカマシンの最終形状は決定されていないが、レーシングバージョンのライン、テクニカル及びアエロダイナミクスソリューションを踏襲することは必然的である。
 このマシンは限定台数での生産となる。細部に至るまでの最大限の注意を以って、レース部門の卓越した技術によりアッセンブリが行われるこのマシンについて、ドゥカティ社は生産を1日1台に限定する予定である。プロジェクトスケジュールは確定しており、2006年春に最初のマシンをデリバリーする予定である。
 ドゥカティデスモセディチRRの価格は、およそ50,000ユーロの予定。また、999Rのオーナーは予約において優先される予定である。更なる情報はドゥカティの公式サイト、http://www.ducati.com/にて7月1日より公開される。

<以上>