☆2004年型ヤマハFZ6-Sフェーザー&N発表


 ヤマハより、600ccクラスの2004年型モデルが発表された。フレキシブルな走りで評価の高い現行FZS600フェーザーの後継モデルとなるFZ6-S FAZERと、そのネイキッド版FZ6-Nである。エンジンは最新型のスーパースポーツ車、YZF-R6のものを低中速よりにリセッティング。そして車体は、同社が誇る最新鋳造技術のCFアルミダイキャスト製法によるもの。ホンダのCBR600RRのような中空構造ではないが、従来のスチール製よりもはるかに軽く高品質なものとしながら、このクラスらしい価格に納めている。
 そして、ホイールベースを延長しつつ、エンジン搭載位置をやや後方の上にしているところが注目される。資料にあるように、エンジン位置をロールに軸近づけたのであり、それはまた、ライダーの着座位置に近づけたとも判断できる。オフ車的な、コントロールの自在性が磨かれていると想像できるのだ。とにかく、スーパースポーツとは違った性能の追求がなされていることは間違いない。
 以下にそのFZ6-S及びFZ6-Nに関する広報リリースをほぼそのまま掲載する。なお、その元になった広報資料のPDFファイルは>>>こちら

 このFZ6シリーズはしかし、2004年に向けたモデルラッシュの、ほんの幕開けにすぎない。ヤマハに限らず、この秋から来年にかけては、かなり多くの魅力的なモデルが登場すると思われる。近々には、カワサキのハイパーウエポンをご紹介できよう。

*************以下ヤマハのリリース***********

YZF-R6直系エンジンを新設計CFアルミ製ダイキャストフレームに搭載
6年ぶりのフルモデルチェンジで登場する欧州向け04年モデル
ヤマハスポーツ「FZ6-S “Fazer”」「FZ6-N “FZ6”」について

 ヤマハ発動機(株)および当社のヨーロッパでの現地法人、ヤマハモーターヨーロッパNVでは、水冷4サイクルDOHC並列4気筒600ccエンジンをCFアルミ製ダイキャストフレームに搭載する2004年欧州向けニューモデル、ヤマハスポーツ「FZ6-S“Fazer”」及びネイキッドタイプの「FZ6-N“FZ6”」をこのほど発表した。
 今回発表の「FZ6-S“Fazer”」「FZ6-N“FZ6”」は、600ccスーパースポーツとして欧州で高い評価を得ているYZF-R6直系の水冷DOHC4気筒エンジンをヤマハ独自のCFアルミダイキャスト製新フレームに搭載し、“走りの爽快感”と“日常ユースでの軽快な機動性”を高次元で調和させた新製品である。1998年に登場した現行FZS600 Fazerにとって6年ぶりのフルモデルチェンジとなる。

〈名称〉ヤマハスポーツ「FZ6-S“Fazer”」「FZ6-N“FZ6”」
〈発売日〉2003年12月(欧州の各販売会社により異なります)
〈カラーリング〉
ヤマハスポーツ「FZ6-S“Fazer”」
■シルバー3 ■ダークパープリッシュブルーメタリックL ■ダークグレイッシュブルーメタリックE
ヤマハスポーツ「FZ6-N“FZ6”」■ブラックメタリックX ■シルバー3 ■ディープレッドメタリックK
〈販売計画〉25,000台(EU圏内、2004年・年間、シリーズ合計)
●インターネットホームページhttp://www.yamaha-motor.co.jp/


《市場背景と製品概要》
 1997年9月のパリショーに初登場、98年から欧州で発売の現行FZS600 Fazer(以下Fazer)は、スポーツツーリングから通勤まで用途を限定しない“オールラウンダー”としての特色が高く支持されてきた。人気の理由は、「高いスポーツ性能」「長距離走行での快適さ」「一般使用で身構えずに乗れる親近感」などである。
 その人気は、125ccクラスからのステップアップ組を含めて市場を拡大し、99年には全欧州でクラストップの販売数を記録した。また02年末までの5年で累計8.3万台(全欧州)の登録があった。その後もFazer人気は根強く、更なる製品熟成を待つ声が聞かれ“次世代Fazer”を待つ声が広まっている。こうした中ヤマハは、次世代コンセプトを【Next Generation Fazer】と定め、現行Fazerの扱い易さの更なる進化と、洗練されたニュースタイルを高次元で調和させることをテーマに、企画を行なった。
 つまり、600ccミドルウエイトスポーツの“走りの爽快感”と“日常生活での軽快な機動性”について高次元で調和を図ることを主眼として開発を開始。この狙いに沿って新「FZ6-S “Fazer”」「FZ6-N “FZ6”」では03モデルYZF-R6直系の600ccフュエルインジェクション採用エンジンを搭載し、優れたエンジン特性を達成。またフレームにはヤマハ独自のCFダイキャスト技術で生産するアルミ製ダイキャストフレームを採用。大幅な軽量化を達成するとともに、個性的な外観と、良好な車体バランスを達成。ディメンション最適化との効果が加わり、リーンウイズで軽快にコーナーを駆け抜けることが出来る高いスポーツ性能を実現した。


《主な特徴》
1)YZF-R6直系の水冷4サイクルDOHCエンジン

 YZF-R6直系の水冷4サイクルDOHCエンジン並列4気筒フュエルインジェクション(以下FI)採用エンジンを搭載した。ボア×ストローク値、燃焼室形状、鍛造ピストン、吸排気バルブ、クランクシャフト、ライナーレス直メッキシリンダーなどの部品にYZF-R6と同一品を採用し優れた性能を達成した。一方、オールラウンダーマシンに求められる低中速域で扱い易い特性を実現するためカムプロフィール変更、吸排気管長・管径セッティング変更などを行い従来のミドルウエイトのイメージを一新するキャラクターを実現した。最高出力は72kW(97.9PS)。最高出力発生回転数は12,000rpm、最大トルク発生回転数は10,000rpmの設定とし、出力・トルク値は「FZ6-S “Fazer”」「FZ6-N “FZ6”」共通仕様とした。

2)ヤマハ初の“グループ噴射”方式FI(フュエルインジェクション)

 好レスポンスと優れた燃費性及び環境性能を実現するためFIを採用した。この新FIでは、供給燃料を50%ずつ2度に分け噴射する“グループ噴射方式”をヤマハとして初めて採用、高い信頼性を確保するとともにシンプル化を達成した。インジェクターは4ホール2方向噴射・高ダイナミックレンジ型を採用。小型32ビットECU採用による優れた点火・噴射制御の効果も加わり、全回転域でストレスなく回るフィーリングを達成した。また燃料配管は小型設計が可能な“リターンレス”をヤマハスポーツ車として初採用した。なおFI採用に連動しダウンドラフトの吸気系及びエアクリーナーダクト形状の最適設計を行なった。

3)優れた排気効率と個性的な外観を実現する4in2in1アップマフラー

 斬新な4in2in1集合タイプのアップマフラーを採用した。黒塗装なしで素材感をアピールするエキパイ部は、2/3番間を連結パイプで結び、優れた排気脈動効果を確保した。さらにサイレンサー部は“もなか構造”とし、2本出し風のプロテクターを装着し斬新さを強調させている。

《車体関係》
1)クラス初のアルミ製ダイキャストフレームの採用

 走行性能の基本となるメインフレームには、ヤマハ独自の“CFアルミダイキャスト技術”による新フレームを採用した。軽量化や優れた剛性バランスに貢献するとともに、アルミの質感を強調した外観実現のポイントとなっている。フレームは、溶接レスの左右2分割ボルトオン構造(ヘッドパイプ部とピボット部の2箇所をボルト連結)のシンプルな設計で、エンジン懸架は左右クランク4箇所と左側ヘッド1箇所計5として良好なバランスを達成。クロスメンバー割愛が可能となり軽量化にも貢献している(乾燥重量現行比で約7kg低減)。
※“CFアルミダイキャスト技術”とは、@金型の真空度アップによる空気抵抗低減(従来比率6倍)A金型温度の制御によるアルミ溶湯温度の安定化、Bアルミ溶湯の金型への射出速度向上(従来比率5倍)による最適化(高速で吐出させることで酸化物混入を防ぐ)・・・・・・これらの相乗効果で鋳造条件の細かな制御を行うもの。凝固アルミ組織内の酸化物を従来の5分の1に削減することが可能で、本モデルでは軽量・高強度と高い外観品質が要求されるメインフレームにCFアルミダイキャストを初採用した。

2)ロングリヤアーム設計などディメンションを一新新
 エンジンのキャラクターに合わせてディメンションを一新した。ホイールベースは1,415mmから1,440mmへ、キャスターは24度から25度へと寝かせ、トレール量88.6mmから97.5mmへと拡大。リヤアーム長は516.5mmから590mmへと拡大し、路面反力から受けるチェーン張力への影響を最小限に押さえた。エンジン搭載位置の変更、バッテリーの前方配置(燃料タンク下、ヘッドパイプ手前)の効果も相まって前輪分布荷重を51%(従来モデルは49%)とし優れたドライバビリティーを実現した。
 なお、エンジン搭載位置は現行比で、クランク軸位置を後方へ10mm、上へ5mm上げ、エンジン重心をロール軸方向へ接近させ、マン・マシン一体の走行フィーリングをいっそう引き出している。また、ハンドル切れ角は余裕の35度を確保した。

3)フロントフォーク43o径インナー、リア軽量モノクロスサスペンション採用
 フロントフォークはFZS1000と同サイズの43oインナーチューブ径を採用(現行は41o)、フォーク間ピッチは190oから210oへと拡大した。更にハンドルクラウンはアッパーブラケットと一体形成したアルミスクイズキャストを投入し、優れた性能と良好なフロント廻りのフィーリングを実現。マシンのロールに対し自然な舵角が生まれるナチュラルなハンドリングを実現した。なお、リアサスペンションは、モノクロスサスペンションを採用。リンクレスながらも、減衰力発生バルブやオイル通路の最適設計でリンク付きサスペンション同レベルの性能を実現した。

4)タイヤサイズの変更及びYZF-R6同タイプの軽量ホイール採用
 優れた駆動力を一層引き出すためにタイヤサイズを変更。前輪は従来の110/70 ZR17 M/Cから120/70 ZR17 M/Cへ、後輪は160/60 ZR17 M/Cから180/55 ZR17 M/Cに変更し最適化を図った。ホイールはYZF-R6と同仕様の軽量新設計5本スポーク型を採用し、バネ下重量を低減、ハブ〜スポークをひとつの連続した構造面として処理する薄肉設計で、強度剛性バランスの最適化を図った。

5)立体感に溢れ、かつ軽快な走りを髣髴(ほうふつ)とさせるボディデザイン
ボディデザインは“モダン”をテーマに開発し、『マスの集中の表現』『彫刻のような立体感の演出』『取り回しの良さを感じさせる軽さの表現』などの要素をまとめた外観となっている。彫刻のような立体感あふれる雰囲気が特色である。

6)プロテクション効果に優れたスクリーンと新2眼ヘッドライト(FZ6-S “Fazer”)
「FZ6-S “Fazer”」には、プロテクション効果に優れ、また風の巻き込みが少なく、風切音を最小限に押さえたスクリーンを採用した。スクリーンは、ボディカウル前面を覆う大型を採用し、ボディカウル間スペースは自動車のダッシュボード風処理として居住感を演出。ヘッドライトはYZF-R1の流れを汲むシャープな新デザインの2眼ヘッドライトを採用した。
 また、カウル左右には、コの字型のバイザーを設け、走行風のカウル廻りでの抜けを作りだし、走行風圧のライダーへの巻き込みを最小限に押さえた。またこのバイザーとカウルは、互いにパーツが重なって見えるユニークな外観を演出している。

7)専用ヘッドライト及び新フレームを強調するネイキッドボディ(FZ6-N “FZ6”)

 ネイキッドタイプの「FZ6-N “FZ6”」では、CFダイキャストによる迫力あるフレームを一層強調した外観が特長となっている。また専用開発のヘッドライト廻りは、フラッシャーなど周辺パーツが凝縮されたイメージを金属的な感触の中で演出した。そこに走行風がシャープに流れる様子を取り入れたデザインとした。なお、デザイン開発においても、「FZ6-S “Fazer”」と「FZ6-N “FZ6”」は同時開発により、双方高次元のデザイン調和を達成した。
 なお「FZ6-S “Fazer”」から「FZ6-N “FZ6”」への変更点は下記の通り。
●新デザインヘッドライト及びカウリング削除(カウリング削除及びこれに伴い新形状デザインのヘッドライト採用・アルミ製ステー追加・ホーン位置変更・ミラー位置変更・メーター下樹脂カバー追加)
●ラジエター廻りデザイン変更(ラジエターホース廻り変更・ラジエターホースへのSUSスプリング追加・キャップ表面処理変更・専用デザインの樹脂製ラジエター横カバー)
●専用ハンドルバー採用(絞り、垂れ角度変更=よりバーハンドルへ近いポジションに設定)
●メインスタンド廃止

8)その他の特徴
・ELバックライトで見やすい2色の一体メーター採用(タコメーターは左側で白地にバー表示/速度計は中央に配しブルー地に液晶文字表示/ツイントリップ/常時表示の時計/燃料計装備)
・フロントフェンダー、カウルアッパー部、シートカウル部に「新メタリック着色」採用(透過性をもつ樹脂素地の中に最適量のフレークを配列し、フレーク本来の輝きを効果的に引き出すことで立体感と質感のある表面を実現)

●●●●●2004年欧州向けモデルヤマハスポーツFZ6-S Fazer FZ6-N FZ6 仕様諸元
     [ ]内はFZ6」
全長×全幅×全高 2,095mm×750mm×1,215mm[2,095×755×1,085mm]
シート高795mm 軸間距離1,440mm 乾燥重量186kg[180kg]
原動機種類 4水冷4サイクルDOHCバルブ並列4気筒
総排気量=600cc 内径×行程=65.5×44.5m  圧縮比=12.2:1
最高出力=72kW(97.9PS) @12,000rpm 最大トルク=63.1Nm(6.43kgf・m)@10,000rpm
始動方式=セル式 燃料タンク容量=19.4  燃料供給=電子制御フュエルインジェクション
タイヤサイズ(前/後) 120/70 ZR17 M/C/180/55 ZR17 M/C

<以上>