☆8月22〜24日 青森イベントの報告


 本州最北の地、青森。この土地の素晴らしさを知ったのは1996年のことで、tsujiの中では意外と歴史が浅い。その年、ヤマハが立ち上げた『ウイークエンドラン』というインストラクション付きツーリング企画、及びその事前下見で訪れたのであった。緑深いロケーションの素晴らしさ、食い物のメッチャ旨さ、そして人間の温かさ。もう、どっぷりと惚れてしまったのである。
 惚れてしまった、そのカナメとなったのが、青森初のウイークエンドランに参加したふたりの若者だった。ひとりは、YSP弘前南というバイク販売店の看板娘で、外観のかわいさ以上に世界遺産にしてもいいほど純真な人柄が素晴らしかった。もうひとりは、大学生なのだが高校生的にクソ生意気な小僧。しかしこの小僧が、2日間にわたってライテクなど指導しながらつき合ってみるとじつは、コイツもやったら純真だった。そんなふたりがやがて結婚し、店を切り盛りするようになる。  病みつきになったとはいえ、しょっちゅう通うにはやはり、関東からだと距離がある。ウイークエンドランのあと彼らに会ったのは、1998年にtsujiが気まぐれで北海道へ行ったときに気まぐれで店に立ち寄ったときだけ。あとは、ごくたまにメール交換するくらいである。
 そんな想い出のふたりから「青森でイベントをやりませんか」との問い合わせメールが舞い込んだ。春先、青森はまだ雪がいっぱいであろう3月のことである。各種の調整や準備が簡単ではないことは百も承知の上で「やりましょう」と、tsujiは二つ返事で答えたのだった。
 そもそものオーダーはライテク講習企画。けっこうではあるが、どーせなら以前から憧れていた白神山地でのオフロード遊びもやってみたいぞよ。というtsujiの身勝手ワガママ注文に応えつつ、もちろん本題のライテク講習のほうの各種セッティングにもと、若いふたりは東奔西走したのであった。
 そんなこんなで実現した、青森のライディング・パーティー。tsujiはどっぷり楽しんでまいりましたぜ。これでSALIDA青森拠点ができたか?


●憧れの白神山地でオフ走行


 8月22日の金曜日、tsujiは朝一番の飛行機で羽田を発ち、午前10時にはYSP弘前南に着いていた。懐かしいなぁ、この雰囲気。店内に入れば、今回の企画募集のPOPやら、SALIDAのwebページのプリントアウト(ヤマハ車に関したものだけなのですがね)が張り出されている。嬉しいじゃありませんか。ただし、この店舗はもうすぐ閉める。年内には国道バイパス沿いに二倍の敷地面積を持つ新店舗へ引っ越しなのだそうだ。メデタイ!
 お店の前で記念写真の左端は看板娘の、ねっちゃん。結婚しても間違いなく看板娘である。その右は、ねっちゃんの父上である社長で、とっても親切で明るくヤンチャな人。右端はクソ生意気小僧だったこともある店長のタツ。青森方面へツーリングのおりには、ぜひ寄ってみるベシ。そのお店のホームページはhttp://www.ysphiro.com/ですよ〜〜〜ん。このイベントのレポートも掲載されており、トップページの『トップニュース』から入ることができます。

 tsujiが懐かしがっている間に、ひとり、またひとりと、オフロード車にまたがった人が集まってくる。そう、tsujiのワガママに応えて集合したオフロードご案内スタッフであります。挨拶もそこそこに、んじゃ行こっか!
 お店から10分も走れば、あたり一面は林檎畑の丘陵地帯。左右にず〜っと広がる林檎畑の間を、緩やかなカーブを描きつつ伸びていく上質舗装の農免農道。収穫間近の林檎はすでに色づいている。なんと気分爽快なロケーション……ただし気分良く走りまわっていたので写真はない。そして、お店から15kmも走れば、こんな林道に突入じゃ。緑いっぱい。もう最高じゃんねぇ。


 しばし走る。走りまくる。青森の林道は、一歩入り込むと長いんだよね〜20kmや30kmも普通なんだ。多少のガレ場もあったが、tsuji的にはごく普通であります。お店で拝借したセロー号なら、どーってことない。ここならリッタークラスのビッグオフでも楽勝に遊べるぞ。ではあるが、前を行く2台の誰かさんと誰かさん、速いなぁ。どんどん離れていく。とくにXR号。勘違いで250だと思ってたんだが、あとでよく見たら600! とりあえずパワーの差のせいにしとこっと。
 なんだらかんだらで、やってきたのが青森と秋田県の県境。長慶峠であ〜る。けっこう有名なところなのだそうな。この峠のすぐ近くに、ものすごくいい場所があるのは、帰り道で教えてもらった。
 長慶峠の緯度経度>>>N=40.28.15.95 E=140.25.07.15

 さて昼御飯ポイントに向けて出発じゃ、と長慶峠をあとに秋田側へ下る。すぐに左手の谷沿いへ曲がり込み、どんどん走る、というか飛ばす! 速いなぁみんな。離されるなぁあの2台には。気を緩めると後ろからも誰かのセロー号が迫る。こりゃ、ナメてるとまずいぜ。てなことして遊びながらやってきたのが、この絶景ポイントだった。正面に見えるのは『糸滝』である。


 お店からここまで60km以上、そのうちダートが50kmほど。弘前市街からちょちょいのチョイで、こんなにオフで遊べて、こんなところまで来れてしまうんだからスゴイ。林道はどれも、進入禁止もヘッタクレもなく堂々と走れる。
 そして、この駐車場というか休憩施設の立派なこと。整備された東屋で昼御飯であります。左側には綺麗なトイレも。さらに感激したのは、一般のクルマ用とは別に、一段高いところに二輪車専用の駐車場が設けてあるのだ! 東屋のすぐ脇だ!!! 秋田県は偉い。この休憩所の正面は清冽な水が流れる河原で、その気になればバイクも遊べ……遊んでよかったのかな???遊んじゃいましたが、遊びすぎて写真はありません。
糸滝休憩所の緯度経度>>>N=40.24.38.62 E=140.28.08.65


 糸滝の休憩所からは弘前へと戻る。しかし、そこはバイク乗りの基本どおり同じ道は通らない。山ひとつ西側の林道を北上した。脇には、すでにススキの穂が。秋はもうすぐそこに来ているのか? 今年はとくに、東北に限らず夏があったような、なかったような。この日、ささやかに夏の林道を楽しめた我々は幸運だったのであろう。

 その帰路は、やがて長慶峠に出る。だが、その峠の直前の左側に、じつは展望台があった。往路はあえて素通りしたようだ。帰路で言えば、長慶峠の直前左側に『岩木山展望台』の標識がある。展望台まではほんの数十メートルだが、オフバイクなら乗ったまま登れる。その絶景……。
 ではあるが、この日はモヤっていて視界が今ひとつクリアではなかった。さらに……である。ここで我がデジカメがなんと電池切れ。バッカヤローッ早めに警告せんかCANONめ。運の悪いことに、スペア電池は弘前のお店において来ちゃった。
 そこで、視界がいいときの写真をGPS石井氏より送ってもらいました。目前にそびえ立つ津軽人の誇り、岩木山。頂上がちょっと雲に隠れているが、完璧快晴ならば日本海まで見渡せるとか。そして、その景色を眺める東屋の居心地のいいこと。うぅ〜ん、tsujiは絶対来るぞ、もう一度。
岩木山展望台の緯度経度>>>N=40.28.25.19 E=140.24.53.97


●オフ遊び参加者のご紹介

 土曜日から始まる講習会の前日、この金曜日のオフロード走行会は、完全なお遊びである。まあ、tsujiのワガママ注文に応えて、ルートなどお膳立てしていただき、さらにtsujiが引率してもらったって感じ。その面子は、約1名を除いて翌日からのライテク講習イベントにも参加してくださった。というよりは、リーダー格の方々だったようであります。そんな方々を、ここでご紹介しましょう。講習会も含めた感想を送ってくれた人もいます。
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■軍曹 国家公務員であります。着ヤセして見えるが、そこがクセ者であります。山深き地であろうが、食える草はどれかを即座に見いだし、あるいは蛇なども手際よく調理して食す、そんな方法を部下に教育するのが日常的な仕事……らしい。イザというときに、シャバに暮らす我々一般国民を守っていただくこーゆー国家公務員の方が、今回は合計で3名もいらっしゃったが、中でもこの軍曹は、相当なツワモノ。バイクを見たって、普通ではありませぬ。何やら怪しげな改造があちこちに施された、徹底して使い倒している様子のXR600。オンロードツーリングに耐えるバイクはこれだけとかで、あとはKTMだとかいろいろお持ちらしい。翌日の講習会には、仕事で参加できなかった。
 そして、彼の速いこと。tsujiはついに、かないませんでした。さらに、常に挑戦意欲いっぱい。予定以外の脇道へ突っ込んでいくのはオフ好きの常であるが、そんなときに先頭を切るのは、だいたいが軍曹殿であった。
 長慶峠からの帰り道も、じつはもうひと遊びあった。怪しい脇道へ突入し、急登坂と急下降の先にあったのが、面白げな沢。そこで全員がひとしきり遊んだのだが、軍曹殿は沢を横切るだけでは気が済まず、ついに沢の真ん中を下流に向かって突破開始。
 えぇえ〜っ、そこは深いんじゃないかなぁ、と思って見ていたら、案の定スタック。完全水没は必死でくい止めた軍曹であったが、身動き不能。でもガハハと笑顔。仕方なく救助に向かう同僚(部下?)のGPS石井氏。やっと引き上げたXRを前に、やれやれという姿が小さく写るのが、上の写真だ。tsujiがデジカメの枯れた電池を叱咤激励し、やっと撮影した1カットである。アブの集団攻撃に耐えながら、ガハハ笑顔でエアクリーナーから水を抜く様子は撮影できず。悔しいぃ〜! 軍曹とは、ぜひもう一度お手合わせ願いたい。次はビッグオフで行くぜ。


■福士会長 大人しそうな顔して、このオッサンの速いのなんの。tsujiはついにこのオフ走行で、彼の後塵を浴びっぱなしであった。YSP弘前南を根城とするクラブ、SRCHの会長であるとは、あとで知った。林道を走りまくった日の夜は、tsujiとともに飲んだくれておりましたっけねぇ。翌日は、バイクをYZF−R1に乗り換えて登場。そしてハングオンのコツをしきりに探っていたのでありました、熱心。以下は会長が送ってくれたコメントです。
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『つじさんとGO!』ツーリングは、最高でした。オフ走行も、翌日からの講習内容も、すべてが本当によかった。なのですが、中でも強く印象に残ったのは、なんといっても最後の最後に引率してもらった爆走坂梨峠です。私のオートバイ人生で大きな1ページになりましたよ。
 そうそう、青森の林道はまだまだあります。今回走ったのは、白神山地のほんの端っこなんですから。というわけで、また遊びに来てくださいね。今度会えるときまでには、もう少しハングオンができてるカモ〜〜〜???カモね



■GPS石井 国家公務員であります。手に持つはガーミン製GPSのetrexシリーズ最高級機種、完璧日本語地図対応のVISTAであります。水戸黄門の印籠のように、そいつをかざすのである。憎ったらしぃっ。黄色いetrexのtsujiは完璧に負けております。この日、予定ルートをトラッキングした地図を持参してました。走りも、無理をしない着実ぶりながら気を許すと愛車セロー号でシッカリtsujiの背後に迫っていたりして。翌日からの講習にはXJR1300で参加し、撮影記録係もやっててくれました。講習風景はGPS石井氏の撮影です多謝。以下は彼のコメントじゃ。
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免許を取得してから20数年、いつもオートバイがそばにあった。速く走りたい! 難しい地形をオートバイで克服したい! という気持ちはいつも持ってました。その後、ビックバイクに乗るようになって8年になります。乗りこなす術を模索しているとき、つじさんの『ベストライディングの探求』に出会いました。何度も読み返して理解したつもりになっても、いざ走り出すと……。
 ある日、YSP弘前南のご夫妻から、過去につじさんの講習を受講した経験があると聞いた。いつかは自分もと思った。今回の講習会が計画されたとき、真っ先に喜んだのは私だったかもしれません。
 林道ツーリングは天気もよく、弘前から秋田県田代町へというコースをみんなで楽しみました。水没寸前事件などもあったけど、大きなアクシデントもなく、筋肉痛を心配しつつ無事終了でしたね。
 翌日からの講習会本番。これはもう、得たものが多すぎて、とても書ききれません。その中で強く印象に残ったのは模範走行はさることながら(驚きの連続)、次のようなことでした。
A:操作に至るまでの考え方
B:自分ができること/できないことの認識
C:自制心
 今後、講習を受けたことがすぐ実践できるとは思いませんが、記憶の回路から引っ張り出して、「安全・確実・若干の挑戦」を心にとめて楽しみながら練習していきたい。またいつか、tsujiさんとご一緒できる日を楽しみにしています


■一戸 けっこういいペースで走るのだが、常に冷静沈着な方です。聞けば、バイクで転倒したことは一度もないとか。スゴイ! と感心するのはtsujiだけであろうか。こりゃーtsujiも見習わなければ。って、今からじゃ遅いけど。お酒のほうもガンガンいきますが、こちらは冷静沈着でもないかな? XJR1200で登場した講習会の夜、宴会の終盤ではtsujiの横でひっくり返ってイビキをかいてたっけ。ところが、たたき起こしたら、そこからが強いタイプ。tsujiはかなわないので途中で退散したとさ。



■タツ YSP弘前南の店長です。神戸から弘前大学にやってきて、近くのバイク屋へ通ううちに、そこの娘をテゴメにしてしまった悪いヤツであります。でも、人のよさは折り紙付き。面倒見がよく、ていねいな修理にも定評がある。やたらとテレ屋で、カメラ目線が今ひとつ決まらないのもそのため。今や立派な津軽人であり、同じ青森でも下北などの『南部弁』と津軽弁は違うのだ、などと言うようになった。そして今や、ねっちゃんの亭主でもある。ねっちゃんとの熱愛関係はいまだ継続中。というか頭が上がらない……らしい。


■ねっちゃん YSP弘前南の看板娘である。とても頑張り屋であります。ジョッパリ(津軽弁で強情者のこと)かもしれない。でも、優しさも人一倍です。tsujiに本物のホヤの美味しさを教えてくれたのが、この人。金曜日は、彼女のセロー号をtsujiが略奪したため店番をしていたのだけれど、そのまんまじゃ申し訳ないのでここでご紹介する。金曜夜の飲み会の図であります。今やタツの女房でもあるが、tsujiはそんなこと知ったこっちゃねーや。向かい側でタツが口を尖らせていたような気もしないではないが……酔っていたから覚えちゃおらんぜよ。翌日は、朝も早くからお客様のおもてなしに奔走しておりました、多謝!


●土日は勉強会の青森バージョンだっ!


 土曜日からは、ツーリングしながら各種のインストラクションを行う、SRCH主催のイベント。SALIDAでやっている『勉強会』と同じようなスタイルだ。素晴らしいロケーションの中をガンガン走りまくるが、その要所ではtsujiの指導があったり、次の走行区間に向けた宿題が出されたり、実技試験があったり(ウソウソ)。初日は雨の区間が多かったので写真が少ないですけれど、そのお見せできないシーンのひとつ、雨に洗われた十和田湖周辺のブナの原生林は、最高に美しかったよ。


 2日めは、走り出す前の軽いウオームアップと称して、朝っぱらから宿の前で坂道方向転換なども実施。路面の斜度の強さと道幅の狭さ、それにガードレールがない状況に、ベテランもやや腰が引けたりする。でも要点さえ把握すれば誰でも簡単。みんな、ちゃんとできちゃったよぉ〜っ。
 こんなことが役に立つのかって? もちろん! 数時間後には全員がその価値を知ることになったのだよ。坂道でなければ関係ないだろって? いやいや、どーして。こんな操作にも、ライテクのキモが山ほど詰まっているのさ。勉強会に来れば分かるって。


 どんどん走る、どんどん続くインストラクション。山の中にみつけた、まさにライテク指導のために作られたようなおあつらえ向きの場所(鉱山の跡地らしい)では、なぜだかいきなり、スタンディング走法のあれやこれや講釈である。オンロードのライテク講習で、なんでまたスタンディングなのか? いいからtsujiについて来なさいっ。ライディングのキモがわかるんだから。皆さん、走りがメキメキ変わっていくね。勉強会に参加したことのある人には、分かるよねぇ、このトレーニングの意味。このレポートの冒頭右にある全員集合写真は、こんなトレーニングでワイワイ大騒ぎの間の、休憩中のひとこまなのである。


 そんなこんなの、勉強ではあるけれども楽しい大騒ぎの一日は、津軽の名所のひとつである『碇ヶ関』の跡地駐車場でお開きとなった。別れ際にtsujiがシメの講釈をしたあと、参加者諸氏はそれぞれが家路についたのであった……。
 とゆーよーには、すぐに終わらなかった。あーだこーだのお喋り。そんな中で、なんとしてもハングオンの秘訣を知りたいという表情の数名。よろしおま。一緒に走りましょう。この駐車場は、坂梨峠に向かう国道282号の脇にある。今まさに通ってきた道ではあるがもう一度、峠まで往復ひとっ走りじゃ。と、講習会であるような、ライディング・パーティーであるような。宴はまだまだ続いたのであったよ。

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■tsuji@SALIDA てなわけで皆の衆、またいつかどこかで。