☆8月25〜26日 GSクラブツーリング



 このツーリングは、SALIDAの企画ではないし、事前に紹介もしなかった。けれど、つじが参加したら、すんごく面白かったのでレポートします。
 GSクラブは元々、OHVの水平対向2気筒エンジンを搭載するBMWのR100/80GS系のオーナーたちが集まって作った。GSはドイツ語のゲレンデ・シュポルトの頭文字で、英語でいえばフィールド・スポーツ。要はオフ系なんですね。デカくて重いけど、じつはこれが、けっこうオフで走る。普通のツーリングバイクとしても優れちゃいるが、どうせならちゃんとオフを走らせよう、という人間たちの集団なわけです。今は、近代的になったR1100/1150GS、それに単気筒のF650系の会員も増えつつあるものの、OHV系もまだまだ元気。「えーっ、こんなのでオフを走るの?」とか「こんな古いバイクで?」とか、周囲から何を言われても一心不乱に泥遊びを続ける連中です。クラブの公式サイトはここ。
http://www.gsclub.gr.jp/
 で、今回は年に1度の1泊ツーリング。初日に行ったのは、以前にこのページでも「福島林道調査」でレポートした、あの難関のB林道だった。春のときの崖崩れは修復されていたものの、日本全土を荒らしまわった台風11号は、何とも見事に荒れた路面を作ってくれていました。ほかに250cc車のパーティーにも2組ほど会ったけど、彼らも苦戦するくらい。だから、面白かった。いくつもの崖崩れを突破し、ざくざくのガレと深い溝をかいくぐり、上の写真のごとく今回は見事に峠へ到達。栃木県側から福島県へ越えることに成功したのでした。疲労困憊ながらも、この楽しそうな顔、顔、顔。しかし、バカな連中ですね。


●栃木の深山へ一気移動


高速道路をオンロード車と同等のスピードで走り、舗装路のワインディングもスイスイ。こうしたバイクならではの迅速さを存分に発揮させます。アプローチの林道に到着したら、今度は250ccオフ車と同等のペースで突き進む。ゾロゾロとつながって走ったりはしません。自分のペースは自分で、という徹底した自己責任の精神です。打ち合わせどおり、入口からしばし走った林道の傍らに各車が集結。今回は参加者が8名と少なめだ。いつもは15人くらいいるのに、ちょっと寂しいかなぁ、とこのときは思った。ほんとは大人数でなくてよかったんだけどね、以後の状況では。

で、なぜ集結したかといえば、お昼ご飯ですよ。バイクの機動力を活かして、とにかくサッサと深い山の中、自然がいっぱいのところへ行きたかった。いつものことだけど、コンビニで仕入れたオニギリが、なぜかやたらと旨い。左写真でピースサインしてるのは、難コースで知られるロシアンラリーに愛車R100GS(初期型)で今年参加してきたロシア1号。右写真でつじの左にいるのは、1号と行動を共にしてきたロシア2号。ま、そういうツワモノもいますが、GSクラブはけして腕自慢の集まりなんかではありません。ごく普通のツーリングライダーが主役なんですよ。


●パンクはすぐに直ったが……


お昼ご飯が済んだら、さあ本番、と勢いよく走り出したつじでしたが、しばらく進むと、あれれれれっ。フロントまわりがヘン。見ればパンクじゃありませんか。しょーがねーヤツだなとか、なんでパンクなんかするんだよとか、ヤジを飛ばしつつもみんなが修理を手伝ってくれた。穴さえ見つければ、あとは簡単。ワイヤースポークホイールでも、コイツはチューブレスですから。10分後には直ってました。さて、このパンクで厄払いできたのか、それとも何かの前兆なのか。

前兆でした。B林道へ突入してすぐに、この崖崩れ。これはきっと面白いシーンが見られるはずと、つじはカメラアングルを検討する、ふふふっ。大きな溝の一部は土砂で埋まっていて、そこへ直角に突っ込めば渡れる。でも、渡りきったところですぐに右へ曲がらなければならないから、勢いのつけすぎは禁物、という状況。右写真はロシア2号で、さすがに難なく通過したけど……。

溝の凹みの部分で一度バイクを止めてしまうと、再発進が大変。こうした重量級オフ車は、停止状態から上り坂に向けてスタートするのが苦手なんですよ、後輪がスピンしちゃう。もっとも、そこはグループツーリングのいいところで、みんなで押せばいいんですがね。また、向こう側に登り切ったところでターンがうまくいかないと、スッテンコロリン。もっとも、みんなで起こせばいいんですけどね。つじはどーしたって? 溝自体は足つきなしのクリーンで通過しカッコよく決めたつもりだったんだが、向こう側でホッとした途端にコロンとやっちゃいました。幸か不幸か、写真は誰にも撮られなかったとさ。


●次から次へと崖崩れが


やっと難関突破と思いきや、1kmも走ると、またもや崖崩れ。最初のほど通過は難しくないが、見てのとおりガレガレのガレ山状態です。ちょっと気を許せばスッテンコロッリン。幹事役のJosefは、本妻のR100GS・PDが入院中だからF650GSダカールでの参加で、どこか乗り方がぎこちない? ちなみに、このページに掲載されている写真の一部はJosef氏のご提供です、感謝。

その崖崩れを通過しても、道はご覧のとおりの荒れた状態。それぞれが四苦八苦であります。いや、体力を使うこと、使うこと。ちなみに、会長とつじは、ここには映っていません。シッテンバットウの連中には「自己責任、自己責任」などと言った、かどうかは定かではないが、とっとと先に行ってしまったから。さて、それがどういう結果を生むのか……。


●ここは底なし沼か


やがて現れたこの崖崩れは、当日の最難関だった。真っ先にたどり着いたつじは、その様子を見て考え込んでしまった。手前は、大きなガレガレ山状態だけど、谷側の端を通る恐怖心さえなんとかすれば、まあ走れる。でも、その後に控える泥が問題だ。歩いてみると、膝近くまで簡単に潜っちゃう柔らかさ。泥流が居座ってる状態だ。我々のバイクの重量じゃ、確実にスタックする。泥沼の、谷側ギリギリは多少固くて通過できる可能性が高そうだが、谷に落ちる可能性も……。
てなこと考えてるとこへ、GSクラブの会長が元気にやってきた。以前、梨本組との合同ツーリングにも顔を出してくれましたね、この人。で、彼はネアカで元気者。悩むより走れだ、とばかりに泥沼の中央突破を試みたのですが、案の定、沈没です。押しても引いてもバイクは動かず、さらに沈み込むばかり。後続隊は、手前のガレ道で疲れて休憩していて、なかなか来ない。ヤケになっての笑顔とピースサインです。

待つことしばし、後続隊が到着。最初の写真の、ガレ道の奥に見えるのが崖崩れ現場です。現場に近寄ってみたのが次の写真。それを反対側から見たのがその次の写真で、ガレはひどいが、谷寄りを通れば(落ちそうで怖いけど)ここはそんなに難しくない。問題はそのすぐ先にある泥沼で、手前がこんな状況だから助走で勢いを充分につけることは不可能なのです。

ロープを2本使って(ちゃんと持ってきてるヤツがいるんだよな)、全員であの手この手で会長のバイクを引っ張り出しました。で、次は俺だと、これも元気抜群のロシア1号がアタック。でも、同じく気合いで中央突破を試みたものだから、またもや沈没であーる。

以後は作戦を変更。バイクにまたがらず、エンジンをかけた状態で、数名で勢いよく押しながら谷側ギリギリを突破する方法にして、みごとに全車通過しました。ここだけで2時間くらいかかったかなぁ。15台もいなくて、ほんとによかったよ。泥の付き具合で、通ったラインの違いが分かります。紫色のバイクは、倒れちゃったのではなく、路面が不安定なので最初から寝かせてあるんですよ、念のため。
そう、比較的路面のいい場所でも、このとおりのザクザク。この先は、大きな崖崩れはなかったものの、路面はさらに深いザクザクになり、そこに豪雨で掘られた深い溝がのたうちまわる。上り坂もきつくなる。溝を横切るラインを入念に読みながら、しかし坂の途中では絶対に止まらず、スロットルをていねいに確実に開け続けなければ、スタックするか転倒です。すごく集中力がいる。体力もいる。でも、泥沼突破で心身共にかなり疲れてる。気分が萎えた途端、こういう重量車はどーにも扱えなくなって危険。ヘルメットの中で「ヨーシ行け、行くんだ」と、つじは叫んでました。だから、そのあたりの走行シーンなど撮影する余裕はなかったです。
その分、峠に着いたときの達成感は素晴らしかった。みんなで力を合わせて走りきった満足感。宿に着いての温泉とビールは、そりゃーもう最高でした。


●朝はパンツ干しから始まる


翌朝は、グチャグチャになってるウエアを干すことから始まりました。だって、超ドロだらけのウエアなど、宿に持ち込めないでしょう。外に脱いでおいたのです。そして、二日酔いをぶっ飛ばす温泉入浴と、たらふく食らう朝食。基本は体力だっ!
居並ぶバイクを眺めてみれば、やはりロシア1号と2号が目立ってました。ハンドルまわりの装備が本格ラリー仕様です。


●東北の緑を堪能


2日めは、もう少し福島県を北側に登って、C林道とD林道を走りました。ススキの穂がいっぱい出ていて、お山はもう秋です。このススキが林道にかなりかぶっていて、ハンドルで払いながらの走行も多かった。道はそれなりにガレていたし、雨で掘られた溝もあったけど、前日の道から較べれば、かぁーるいもん。太陽に照らされて輝くススキの穂やブナの原生林を眺めながらの、気分爽快スポーツツーリングです。

道中には、こんな素晴らしい泉もありました。冷湖の霊泉(ひゃっこのれいせん)と言いい、歴史と由緒ある泉だそうな。柔らかくて旨い水でした。そして、苔むした風情が素晴らしく、思わず気合いを入れすぎてストロボなしで泉のアップ撮影をしたら、手ブレしてましたゴメン。


●最後のシメはパンク修理


いよいよダート走行もここで終了、というわけで記念撮影。楽しかったなー。あとはオンロードを走って帰るだけ……と思っていたら、終わらなかった。ロシア2号がパンクです。でも、修理を手伝ってるロシア1号も、ほかのみんなも、なぜだか愉快そう。終わっちゃったと思ったら、また遊びができたからですかね。まったくお馬鹿な遊び人集団でした。これをご覧のみなさんも、今度一緒に遊ぶ?