ライディング事始め
グランプリ出版  ISBN: 4906189571

ンジンの構造や作動原理、最新のメカニズムなどを知りたくなって書店へ行けば、たくさんの本がならんでいる。
何事も同じであるが、新しい世界に第一歩を踏み入れるときは、右も左も分からないわけであり、だからこそ楽しいのではあるけれども、間違いなく不安でもある。
何かよい手引き書はないかと捜すことになる。
そういう初心者向けの入門書というやつは書店に行くと星の数ほどならんでいて、バイク用のものも例外ではない。
だが、それらを手に取ってみるにつけ、何かが足りない、と思っていた。
色々な内容が詰め込まれてはいても、それがすでに刊行されている同種のものからの寄せ集めだったりする。
非常にライディングがうまい一流レーサーの著になるものであっても、断片的な高等技術の羅列だったりする。
考えてみるにそれらには、これから初めてバイクに乗ろうという人たちに対して、どうしてもうまくなってほしい、バイクの楽しさを知ってほしいという熱意が、欠けているのではないだろうか。
何よりも、暖かみ、がそこにはないように思う。
その視点からスタートし、1年をかけて練り上げたのが、この本である。
全体のコンテ立ては、村井 真氏にお願いした。
村井氏はレーサーでもインストラクターでもないけれど、すでに2冊の単行本を創造しながら苦楽をともにする過程で、氏の経験知識の豊かさとバイクを愛する心の深さには、確信を得ていたからだ。
そして、出来上がった職業的冷たさとは無縁のイラストに対し、僕が文章を付け加えた。
初心者でも、いや初めての時期だからこそこれだけは知っておいてほしい、という願いを込めて、筆を重ねた。
では、この本が他のものに対して、内容の多さや詳しさで勝っているのかとなると、そういう努力はしたけれど、断言はできない。
ただし、暖かさ、では絶対に負けないと自負するものである。

つじ・つかさ


なたはレースを観たことがあるかな。
レーサーってカッコいいよね。みんな、あんな風に走りたいと思うんだろうな。
ここであなたが、ちょっとウデに自信のあるライダーだとしよう。
その自信を胸にサーキットへと繰り出して、走行シーンをビデオに撮ってもらった。
ワクワクしながらデッキのスイッチを入れるわけだ。
自分はあんなに怖い思いをして限界走行したんだから、さぞかしカッコいい走行シーンが映し出されると思うよね。
ところが出てきたのは、サーキットでツーリングしているかのような自分。
見慣れたレーサーの走りとは比べようもない。
ライダーのウデが悪いんだって? そんなことはないんだよ。信じなさい。これは筆者の体験なんだから!
はっきり言おう。
公道とサーキットは別モノと考えよう。
公道でレーサーを気取るのはモノマネであって本質ではない。
スリルを楽しむことよりも、バイクを操る楽しさを覚えたい。
それは、何も限界ギリギリのバンク角をさぐることではないはずだ。
いま、バイクライフのスタートラインについたあなた。
あなたのすべきことは、とりあえずケガをせずバイクに乗り続けること。
あせらずともうまく走れるようになる。
心配ない。
保証する。
冷や汗流して走ったってどこが面白いのさ。バイクは楽しまなくちゃ。
そう、楽しんでいるからこそうまくもなれるものなのさ。ね、つじさん!

村井 真
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