バイクのメカ入門
グランプリ出版 ISBN: 4876872023

イクは走ってナンボである。乗るのが一番だ。
難しい理屈なんて知らなくても、走らせるのに不自由を感じることはまずない。
とはいうものの、その構造を少しばかり知ると、面白さは倍増する。
ジャンルごとに違う性能の、本当の意味が見えてくる。
電気冷蔵庫や電子レンジみたいな単なる機械としてではなく、走るための「道具」として、もっと僕たちに近付いてくる。
そう、バイクは道具なのだ。
金槌やナイフよりはちょっとばかり複雑にできているけれど。

道具としての性能や機能を鍛え、美しさを磨き、味わいを深め、100年以上かけてバイクは進化してきた。
ピストンのちょっとした形、フレームパイプのカーブを眺めるとき、そんなことが見えてくる。
そいつを操っている自分が、なんだか凄いことをしているように思えて、嬉しくなってしまう。
鍛え、磨き、深めてきた技術者やバイク乗りの汗を見るような思いでもある。
そう、バイクは確かに走ってナンボだけれど、メカニズムを眺めること自体も、とっても楽しい。
そこで、この本を「つくる」ことにした。

今まで僕は、バイクのメカニズム関係の書籍や雑誌記事を何度となく執筆してきた。
かなり専門的なところまで突っ込む努力をしたこともある。
だが、しょせんはシロウト。実際にバイクを設計したり開発している人達にはかなわない。
けれども、そのシロウトであることを誇りに思い、大切にするように心掛けている。
中学校の理科ができれば、エンジンなど分解したことがなくたって理解できるように執筆するようにしてきたつもり。
つもりだけれど、書いているうちに、どうも文字が複雑に絡み合ったものになってしまう傾向が、なくはなかったなぁ。

初心に立ち返ろう。
分からないことがあったら、目次や索引を見てページをめくり、ちょいと眺めれば「なーるほどね」とわかる本にしよう。
それには、文字の組み合わせに熱中するより、図や写真をいっぱい使わなければ。
文章は項目ごとに短く切って分けて……。
執筆するというより、まさに「つくる」作業となったわけだ。
2倍の文章を執筆するよりもシンドイ作業だけど、読者の方々が喜んでくださる顔を想像しながらの、楽しい仕事だった。

ただし、初心者向けの内容で図や写真が多いからといって、内容の手抜きはいっさいありません。細かな理屈を省いた部分は多々あるけど、肝心カナメの理論と構造は、僕が提供できるものすべてを注ぎ込んだ。そんな原理原則をベースにしながら、最先端モデルに採用されている最新メカニズムもふんだんに盛り込んである。
この1冊でバイクのメカニズムはたいていわかる、そういうようにつくる努力をした。

この本で、バイクのメカニズムを楽しんでいただきたい。
バイクを道具として使いこなし、もっと楽しく乗ることに役立つとしたら幸せです。
ま、そんな難しい話ではなく、専門誌を読むときの辞書代わりに使っていただいてもいいと思います。
では、楽しいバイクライフを。

つじ・つかさ
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